4-5 第2段階-子供の感情に気づき,子供との距離を縮めるチャンスを作る

子供を養い育てる


親として、子供がイライラしたり、反抗的な態度を見せたとき、どう対応していますか?ついつい「話しかけない方がいいかな」と考えたり、「そのうち気分も直るだろう」と放っておいたりすることはありませんか?

でも、実は子供が感情を表に出しているときこそ、親子の絆を深めるチャンスです。その瞬間にしっかりと寄り添い、話を聞いてあげることで、子供は「理解されている」と感じ、安心します。

今回は、子供が心を開きやすくなるための「感情に寄り添うスキル」について、具体的なエピソードを通じて紹介していきます。


勝哉のエピソード:親としてどう子供に寄り添うか

ある晴れた土曜日の朝、父親は家族でピクニックに行く予定を楽しみにしていました。しかし、11歳の息子勝哉がふくれっ面をして、反抗的な態度を見せたのです。父親は驚き、心配になりました。普段は素直な子なのに、何があったのだろう?

ここで父親は勝哉に無理に命令するのではなく、勝哉の感情に気づき、その気持ちに寄り添おうとしました。この対応が、感情的なつながりを深める第一歩となったのです。


感情に寄り添うためのステップ:子供の気持ちに気づく


1. 感情に気づき、距離を縮めるためのきっかけを作る

勝哉の父親は、息子がふくれっ面をしているのを見逃さず、まず「どうしたのか?」と感情に気づくための声かけをしました。子供が何かに悩んでいるとき、最初のステップは感情を察知することです。

  • 父親:「家事のことを話したとき、怒っているようだけど、何か困ったことでもあるのか?」

このように、ただ感情に気づき、「どうしてこんな顔をしているんだ?」と聞くだけで、子供は自分の気持ちに気づいてくれていることを感じます。ここで重要なのは、子供が気持ちを表現する場を作ることです。


2. 感情を否定せずに受け入れる

子供が感情を表に出しているとき、それを否定せずにそのまま受け入れることが大切です。たとえば、「そんなことで怒らなくていいよ」とか「気にしすぎだよ」と言ってしまうと、子供は「自分の気持ちが理解されていない」と感じてしまいます。

勝哉の場合も、父親は「怒っているんだね」と、まずは感情を受け止めました。

  • 父親:「怒っているようだね。どうしたんだい?」

ここで重要なのは、子供の感情に共感し、その感情を否定しないことです。子供は自分の気持ちが認められたと感じ、話しやすくなります。


3. 子供に話させる:問い詰めず、聞き出す

感情的な子供に対して、すぐに問い詰めたり、理由を無理に聞き出そうとすると、かえって心を閉ざしてしまうことがあります。焦らずに、子供自身が話せるようにすることが大切です。

勝哉の父親も、何度も無理に問い詰めることなく、ゆっくりと勝哉が自分の気持ちを話せるようにサポートしました。

  • 父親:「大事なのは家事だけじゃなく、君の気持ちだよ。何かあったなら教えてくれないか。」

このように、自己弁護せずに耳を傾けることで、子供は徐々に気持ちを打ち明けていきます。


4. 自己弁護せず、間違いを認める

子供が感情を表現し始めたら、親はそれに対して防衛的にならずに自分の間違いを認めることも大切です。勝哉の父親も、家事分担表についての息子の意見を聞いたあと、こう言いました。

  • 父親:「君の言う通りだね。お父さんが間違っていたよ。ごめんね。すぐに作り直すからね。」

このように、親が素直に自分のミスを認める姿を見せることで、子供は**「自分の気持ちがちゃんと受け止められている」**と感じ、親子の信頼関係が深まります。


5. 子供の感情に寄り添うことで、親子の絆が強まる

感情的な場面こそ、子供の心を癒し、親子の絆を深めるチャンスです。勝哉の父親が感情に寄り添い、話をしっかりと聞いたことで、勝哉の怒りはおさまり、最後には笑顔で家事を終え、ピクニックに行くことができました。

このように、子供の感情に気づき、寄り添うことで、子供は安心感を持ち、心の成長につながります。時には親が間違いを認めることもありますが、それもまた大切なプロセスです。親子の絆は、こうした感情的な瞬間を通して少しずつ強くなっていくのです。


まとめ:感情を見逃さず、親子の絆を深める

親として、子供の感情に気づき、寄り添うことはとても大切です。子供が怒りや悲しみを感じているとき、その感情を否定せずに受け入れ、共感することで、親子の距離を縮めることができます

子供が心を開きやすくなるためには、焦らずに話を聞き、共感し、時には親自身が間違いを認める姿勢が求められます。こうして築かれた信頼関係は、子供の自信や安心感に繋がり、長い目で見ても心の成長に大きな影響を与えるのです。

ぜひ、感情に寄り添うコミュニケーションを取り入れて、子供との絆をさらに深めてみてください。


子供の気持ちを本当に理解していますか?―親子の絆を深める感情へのアプローチ

親として、子供がどんな感情を抱いているのか気になることがよくありますよね?でも、実際には忙しい日々の中で、子供の感情を見過ごしてしまうことも多いのではないでしょうか。そんな時、少しだけ意識を変えることで、親子関係が驚くほど良くなるかもしれません。


感情に気づき、親子の絆を深めるための簡単な方法

今回の方法はとてもシンプルです。それは、子供がどんな感情を抱いているかを観察し、記録すること
え、そんなこと?と思うかもしれませんが、実はこれが効果的なんです。

1週間、次のことを心がけてください:

  • 子供がどんな表情をしているのか、何を感じているのか、普段の会話や行動から観察しましょう。
  • その日の終わりに、子供が感じていたと思われる感情を簡単に書き留めます
    例えば、「朝、学校へ行く前に不安そうにしていた」「遊んでいるときはとても楽しそうだった」といった具合です。

さらに、この観察をした後、次のステップに進みます。子供にその記録を見せてみてください
「今日、こんな風に感じていたんじゃないかな?どうだった?」と聞いてみるんです。子供はそれに対して「そうだよ」と答えるかもしれないし、「いや、実はこうだったんだ」と違った感情を教えてくれるかもしれません。


実際に取り組んだ親の体験談

あるお母さんはこの活動を取り入れたことで、以前よりも子供の感情に敏感になったそうです。特に思春期の息子が、学校のことで悩んでいることに気づき、息子との距離が縮まったと感じています。「今までただ気づかずに見過ごしていた感情が見えてくるようになりました。息子も、私がその感情を気にかけていることがわかって、少しずつ話してくれるようになったんです」と話しています。


まとめ:まずは1週間、試してみませんか?

この活動はとてもシンプルですが、実践してみると子供の感情がどれほど豊かで、そしてその感情が親子の関係にどれほど影響しているかを実感するはずです。子供が感じていることに注意を払い、それを確認するだけで、親子の信頼関係が大きく変わるかもしれません。

子供にとって、親に自分の感情を理解してもらえることほど安心感を与えるものはありません。ぜひ今日から、この「感情に気づく」活動を始めてみてください!

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